グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  伝えたいこと >  伝えたいこと2007 Vol.04

伝えたいこと2007 Vol.04


総合政策と禅のアナロジー
村田 尚生(准教授・政治・行政)
みなさんご存知だとは思いますが、愛知学院大学は曹洞宗(禅宗)の大学です。といってもほとんどお坊さんになる人はいません。禅宗といっても日本史の授業で学んだ程度で、それ以上は良くわからないというのが多くの日本人ではないでしょうか。宗教学の教員でもない私が禅宗のことを語るのは難しいので、総合政策と類比させながら考えてみたいと思います。

まず、1つ目の共通点として、「生活することで見えてくる」ということです。そんな当たり前のことと思われるかもしれませんが、意外と難しい。例えば、食べること。曹洞宗では食べることを修行の1つとして大切にします。なぜかというと、食材はもともと命のあったもの、その命をいただくのだからおろそかにできない。そこに命のつながりを見るのです。同様に総合政策でも、その食材はどこからやってきたのか、どのように生産されたのかを考えることで見えてくるものがあります。食卓に並んだ大豆(豆腐・納豆など)は地球の裏側のブラジルで、熱帯雨林を伐採して、大量の農薬や遺伝子組換えによって生産されているかもしれません。当然、あなたの健康に影響があるばかりか、地球の裏側の環境を左右しているし、それを運んでくるために大量のエネルギーが使われています。生活の中からつながりを手繰り寄せると様々な問題が見えてくるのです。

2つ目の共通点は、「自我にとらわれることなく物事をみる」ということです。禅でいう「身心脱落」は、「身も心もあらゆる束縛から開放され物事を正しく判断する」ことを目指します。生きていく上でどうしても自我が出て判断を誤ることがあります。政策を立てるということは、世の中にいる多くの人や生き物が、より良く生きるためにどうするかを考えること。客観的に、そして総合的に何が求められているのかを考えていかなければなりません。

そのために、論理的・客観的な思考方法や、幅広い知識を学ぶ必要があるのです。

村田 尚生 (Takao Murata)

プロフィール

大阪府出身。東京工業大学大学院修了(1991年)。三和総合研究所、東京工業大学助手を経て、1998年から愛知学院大学。日本都市計画学会、日本造園学会、日本NPO学会会員。特定非営利活動法人まちの縁側育くみ隊副代表理事、特定非営利活動法人にっしん市民環境ネット理事などのまちづくり活動に参加。

研究分野・専門分野

まちづくり・都市計画
なかでも昔の都市はどのようにつくられたのか?をテーマとして研究しています。江戸時代以前の都市では、人と人のつながりや、人と自然(神仏)のつながりが考えられていました。近代化により失われた、これらのつながりを、どのようにすれば取り戻すことができるのかが最大の関心事です。