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伝えたいこと2023


将来のvisionを持つこと
高松礼奈
 皆さんには夢はありますか。たとえば、5年後、10年後、どこで、何をしているでしょうか。
 そんな先のことまで考えられないという方もいれば、この職業につきたいと明確なvision(ビジョン)をすでに持っている人もいるかもしれません。

 わたし自身、大学入学時は特に明確な将来のビジョンを持っていませんでした。ところが、1年生のときに初めて(たまたま)履修した心理学の授業で衝撃を受け、心理学を専攻することに決めました。なぜなら、心理学がこれまで抱いていた疑問を解決してくれる魔法のように感じたのです。自分と他者への理解を深めていく中で、自分はそれほど浮いていないし、周りと似ている部分もあるし、自分の良い部分もあることに気づきました。それから心理学の授業を片っ端から履修し、第一線で活躍する先生方の研究に触れる中で、研究職を志すようになりました。興味の範囲外にはまったくモチベーションが起きず、学校自体それほど好きでなかった私にとって、心理学との出会いは幸運でした。

 これを読むと、心理学を履修すれば、こころの悩みが消えるのではと思う方がいるかもしれません。しかし、私の場合、心理学を勉強するだけでは、悩みを解決してくれませんでした。頭の中では分かっていても、実践することが難しいのです。たとえば、本当の意味で気づくのに時間がかかったのは、周りと自分を比較するほど不幸になることです。これまでやってきた悪い習慣はなかなか消えません。とことん悩んで試行錯誤を繰り返し、心理学で獲得した知識を通して人とつながっていく中で、自分なりの答えが見つかったのです。

 先のことを考えても想像がつかなかったり、不安になったりするかもしれません。1つだけ覚えておいて欲しいのは、「いま」は有限であることです。時間は、誰に対しても等しく分け与えられます。あと何10年もしたとき、今日という日はおどろくほど覚えていないでしょう。人間の記憶は容量に限りがあり、いいかげんです。だからこそ、未来につながる、残る何かを積んでいく必要があります。目先の目標であれば、「単位をしっかり取る」は卒業という未来につながります。そう、いま積み上げているのは、あなたの未来への投資です。何かブレずに続けていれば、きっと道は開いていくはずです。

 最後に、リサーチプロジェクトIIIab, IVab では、「こころを科学(データ)で探究したい」という皆さんと一緒に楽しく実験や調査ができたらと思っています。